2009.9.22(火)
「東京下町散歩」の続き
「向島百花園」を見て白髭橋を渡り、墨田区から台東区日本堤へ。
隅田川にかかる「白髭橋」を渡り、日本堤の桜鍋の老舗「中江」に向かう。
いいですね、この下町の雰囲気。
そして、道にゴミ一つ落ちていない!
「白髭橋」から30分ほど歩いて日本堤へ。
この天麩羅店、つとに有名だが数年前食べに来てガッカリ。
海老は普通だったが、「穴子」は揚げ過ぎで衣に苦味が出、逆に「かき揚げ」は中が半生に近く、驚きました。
行列ができる店がこんな失敗作を平気で出すとは恐れ入りました。
閑話休題。
目的はこの店です、吉原大門の桜鍋の老舗「中江」。
文明開化の明治38(1905)年創業。
当時、遊郭で栄えた吉原には二十軒以上の桜鍋屋があったそうだが、今に残るはこの「中江」だけ。
桜肉、つまり馬肉専門店。
創業当時から小説家、芸術家、芸能、スポーツなどの世界で活躍する著名人の常連がたくさんいるそうで、
皇室関係の方もお忍びで来店するそうだ。
予約して行ったのですが、それでも一番乗り。
“桜鍋”は東京都町田市の「柿○屋」や山梨、熊本などで食べたが、ここはちょっと肉の格が違う趣だ。
先ず「馬刺し」:
昔から桜肉といえばロースのこと。
「中江」では冷凍の肉など使わず、全て生のもの。
九州・久留米の「このみ牧場」で「中江」専用の桜肉を飼育してもらっているとのこと。
生姜醤油で食べるのだが、ロースはあまりにもあっさりし過ぎ。
この「バラ」の刺身がすごい!
ワサビをすりおろして食べるんだが、脂が強く、ワサビが利かない。
ねっとりした食感。ほんのり甘みを感じる。これはうまい!
「タルタル・ステーキ」:
常連だった、かの岡本太郎画伯が、
「おやじ、僕がフランスでよく食べた馬肉のタルタルステーキをこの店でも食べられるようにしてくれ。」
の一言で先代の三代目が考えたそうです。
フランスでは一般的に桜肉を食べますが、特に病人には桜肉を食べさせる習慣があるそうです。
黙って出されたらいわゆる韓国の、あの「ユッケ」だと思って(=牛肉だと思って)食べてしまうでしょう。
これもうまいネー!
「馬刺し握り寿司」:ロースとバラ肉。
バラ肉はコラーゲンたっぷり。美容に良いそうだが、女性はやっぱり食べずらいようだ。うまいのにナー。
馬肉はカロリーが豚の1/4、牛の1/2。脂質など1/20〜1/40ほど!
逆にタンパク質、鉄分豊富、コラーゲンたっぷり。
お蔭で女将はこの顔のツヤツヤなこと。
さて、いよいよ「桜なべ」にします。
ロースとバラ。
バラ肉は鍋にすると味噌ダレと相まって、甘く、とろりと絶品!
まあ、ビールを何本飲んだか。
肉を食べ終わった後、野菜類を入れていきます。
さらに「あとご飯セット」を注文。
鍋の残り汁に玉子を入れ、ふんわりと仕上げ、その玉子をご飯にのせて玉子丼のように食べるのが「あとご飯」。
肉や野菜のうまみたっぷりの玉子は、桜なべを食べた後にしか味わえない格別な味。
「中江で一番美味しいのは、あとご飯」という評判も立つほど、とHPに出ておりましたので。
仲居さんが生玉子を割り入れ、手早く作ってくれました。
ほっかほかのごはんにかけて、頂きます。満腹。満足!
四代目が一生懸命仕込んでおりました。
愉快な仲居さんに送られて。
「ご馳走様でした!」
一度、訪れる価値はあります。
予約を入れてから、是非どうぞ!
「桜なべ 中江」:東京都台東区日本堤1-9-2